「商業主義に席捲されるEBM」
2005-04-28
「商業主義に席捲されるEBM」
(キーワード: EBM、臨床試験結果、製薬企業、商業主義)
EBMジャーナル2005年3月号で、桑島巌さん(東京都老人医療センター内科)が、「商業主義に席巻されるEBM(根拠に基づく医療)」の論説を書き、そのなかで臨床試験において自社製品に有利な結果が得られなかった場合に、企業がとる方策の例を紹介しています。
1. 結果を発表しない
Ca拮抗剤アムロジピンの心不全に対する有用性を検討したPRAISE-2試験
2. 経済的支援を途中で打ち切り、試験の中止に追い込む
Ca拮抗剤ベラパミルの脳心血管合併症予防効果を検討したCONVINCE試験
3. 1次エンドポイントで有意差がつかなかった時に2次エンドポイントで有利なところを探し出し、その点を記事広告などで強調する
SCOPE試験、VALUE試験
4. 後づけ解析で、さまざまな補正を行い、有利な結果を導き出す
典型例はバルサルタンのVALUE試験。
バルサルタン群で有意に多く発生した狭心症を2次エンドポイントから有害副作用に鞍替えさせた
5. 商業雑誌の正当性を欠く広告記事
企業がコピーライターにまかせて作成した宣伝記事をそのまま掲載
(T)
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