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英製薬大手GSK社が自社製品情報を伝えるための医師を雇用

2014-06-05

(キーワード: GSK、医師を雇用、利益相反回避)

 英国に本社のある製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)社は、2012年7月に米国において不正販促行為で30億ドル(約3000億円)という史上最高の罰金を支払い、最近では医師へのわいろで幹部が中国政府の取り調べを受けるなど、スキャンダルが続いている。このためGSK社は企業評判の回復に努めるべく、種々の試みをしている。

 掲題について英国医師会の発行するBMJ誌電子版2014年3月18日号が伝えているので、要旨を紹介する。

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 英国に本社のある製薬大手GSK社は, 会議や他の催しで自社製品について話してくれるキーオピニオンリーダーズ(KOL)に礼金を支払う従来のやり方に換えて、多くの医師に自社製品情報を伝えるための医師を雇用するようにしたいと語った。GSK社は医薬品の処方者に適切でない影響を及ぼす従来の販促行動を変えるとしており、今回の医師の雇用については、雇用した医師であることを明確にして透明性を高めると語っている。自社の医薬品のベネフィットとリスクについて多くの医師に重要な情報を伝えることは大事なことだが、われわれは利益相反を除去した現代にふさわしいやり方で行うとしている。

 GSK社は、2009年以降営業メンバーを30%以上削減し、薬局をターゲットなどにする教育的な役割をもつ人員を拡張してきた。GSK社は、ここ何年かいくつかの大きなスキャンダルを引き起こしており、何人かの時事解説者(コメンテーター)は同社のこれらの動きは評判を修復するためにとられた手段とみなしている。

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 GSK社は、昨年2013年12月に医学的な会合における医師への支払いを止めると発表した際、MRの個人販売目標についても廃止すると表明した。これらはグローバルに実施するとしている。MRの個人販売目標廃止については、GSK社は米国ではすでに2011年から先行実施している。

 今回の医師雇用は新たな興味ある試みであり、今後について注視したい。
 しかし、もっとも重要な問題は、誰に語らせるかではなく、情報の内容である。製薬企業によって直接雇用されている医師によって伝えられる情報である以上、バイアスのかかった内容となる危険性がある点に注意しなければならない。
                                                   (T)

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