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リリー社が米国医師への顧問料・講演料支払いを開示

2008-12-24

[キーワード: リリー社、医師への支払い開示、サンシャイン法]

 2007年11月の注目情報(※1)で、製薬会社の医師もてなし情報公開法(サンシャイン法)が米議会に提出されたことを紹介した。サンシャイン法はまだ成立していないが、リリー社が米国医師への顧問料・講演料の支払いを開示すると発表したことを、スクリップ誌2008年10月3日号が伝えている。以下は記事の要約である。
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 企業の医師への500ドル(約5万円)以上の支払いを開示する医師支払サンシャイン法の成立が滞っているが、リリー社はこれに先立ち、2009年後半期から米国の医師など医療専門家に対する500ドル以上の顧問料・講演料支払いについてオンライン登録を開始すると発表した。リストされた支払はネット上で情報公開される。これは製薬企業で初めての動きである。リリー社は2011年までに、開示の範囲を旅費、贈り物、臨床試験費用などに拡大の予定である。
 リリー社は、臨床試験のオンライン登録(※2)、医師教育などへの寄付の開示(※3)も、製薬企業として最初に行っている。同じ週にメルク社も、サンシャイン法が要求するのを待たず、2009年内に医師への講演料を開示すると発表した。メルク社はまた、数週間以内に医学教育への寄付を公開し、2009年には医学・科学・患者関連団体への寄付も開示すると発表した。
 サンシャイン法は、開示する範囲を当初の案では25ドル(約2500円)であったのを500ドル以上としたことで、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が支持を表明したが、民間監視団体パブリック・シティズンはなお、25ドル以上とするよう求めている。  (T)