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FDAが諮問委員会メンバーの利益相反を扱う新ガイドラインを作成すると発表

2006-10-23

(キーワード: FDA諮問委員会、メンバーの利益相反、管理ガイドライン)

 米国では、FDAが新薬承認や市販後に重大な有害副作用が明らかになった医薬品の市場からの撤去などを諮問する諮問委員会メンバーの企業との金銭的関係が問題になってきた。最近の例では、前者では世界ではじめてのインスリン吸入剤の承認(※1、2)、後者では重大な心血管系の有害副作用が明らかになったCOX-2選択阻害抗炎症剤の市場撤去(※3)を審議する諮問委員会での利益相反問題がある。FDAは、批判を受けて諮問委員会メンバーの利益相反をより厳しく扱うガイドラインの作成をこの程発表した。英国医師会発行のBMJ誌2006年8月5日号の報道を紹介する。以下は記事の要旨である。

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 FDAは先週、諮問委員会メンバーと製薬企業との関係を明確にする新たなガイドラインを作成すると発表した。その目的は、諮問委員会のプロセスをより効果的にし、そして国民にプロセスが問題なく機能している状態にあることで安心感をもたせることにある。新たなルールは一定期間パブリックコメントを求める予定である。

 これまで製薬企業と関係を持っていても替わりうる専門家がないとされるときは、免責によって任命してきたが、その基準については不明確であった。

 公益科学センター(CSPI)のメリル・グズナー氏やパブリック・シティズンのシドニー・ウルフ氏のような批判者は、製薬企業と金銭関係のある専門家は排除されるべきであり、また金銭関係がなく諮問委員会のメンバーとして適当な大学・研究機関の専門家が存在すると主張している。

 しかし、FDAの幹部のスコット・ゴットリーブ氏は、価値の高い発言は実際に臨床試験を行っている専門家がしばしばもたらすものだとして、そうした排除が適当とはいえないとしている。

 公益科学センター(CSPI)が組織したフォーラムにおいて、ゴットリーブ氏は、FDAが免責する条件や諮問委員会メンバーの金銭的関係をもっとオープンなものにする意向であると語った。

 FDAは、数か月以内に、どのような利益相反なら免責されるか、その内容がどのようなときに公開されるか、諮問委員会に使用された書類をどのようなときに国民が手にすることができるか、などの条件を明確にするガイドラインを発表するとしている。

 また、諮問委員会の国民への周知を郵送や電子的な通知によって徹底を期すとともに、諮問委員会メンバーの任命をわかりやすいものとするとしている。
                              (T)