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米国医師会が新薬DTCA(処方せん薬の患者・市民向け直接広告)の発売後一定期間禁止を要求

2006-08-29

(キーワード: 米国医師会AMA、新薬のDTCA禁止要求、発売から一定期間)

 現在世界で処方せん薬の患者・市民向けの直接広告(direct-to-consumer advertising,
DTCA)が認められているのは、米国とニュージーランドの2国のみである。この春、ニュージーランド政府が、DTCAへの批判を受け、DTCAとこれに類似した疾病啓発広告の今後についてパブリック・コメントを募集した。日本にとっても影響が大きい問題であり、当会議もこのパブリック・コメントに応募して、DTCAの禁止と疾病啓発広告の規制を行うという選択肢への支持を表明した(※1)。また米国については、同国で医薬品監視活動を精力的に進める市民団体パブリック・シティズンが、同様にニュージーランド政府のパブリック・コメントに応募、DTCAが行われている同国の現実を踏まえて、当会議と同じ選択肢への支持を表明した意見書について、その内容を注目情報で詳しく紹介した(※2)。
 その後、米国最大の医師団体である米国医師会(AMA)が6月14日、新薬発売後の一定期間DTCAを禁止するとともに、DTCA内容についてはFDA(食品医薬品局)の事前承認を求めるという内容で、初めてDTCAへの態度を鮮明にしたので、紹介する。以下はAMAプレスリリース(※3)の要旨である。

   [AMAは新処方せん薬のDTCAに期間を限定した停止を要求する]
   
   AMAは処方せん薬と体内埋め込み型医療器具のDTCAに新たな
   方針で臨むと言明した。この新たな方針には、新たに承認された
   処方せん薬のDTCAを期間限定して禁止することと、DTCAを
行う場合に製薬企業が従うべきガイドラインの制定が含まれる。

「DTCAの一定期間禁止は患者にとっても医師にとっても有益で
ある。医師は患者に処方する前にその処方せん薬使用の損得につ
いて教育する機会ができる。そしてその処方せん薬がその患者に
医学的に適しているかをより良く決定することができる」と、ロ
ナルド・デービス医師会長は語った。

この新薬のDTCAを一定期間禁止する(期間は製品によってFDA
が決定する)のに加えて、AMAはDTCAに対するガイドラインの
強化を要求しており、その中にはDTCA内容のFDAによる事前
承認が含まれている。
AMAはまた、DTCAが患者と医師との関係、医療全体のアウト
カム(結果)、ヘルスケアに要する費用にどのような影響を及ぼす
かについての更なる研究を要求している。   (T)