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クレストール特集(3) FDAがアジア人での副作用増加の可能性を警告

2005-05-24

 米国FDAは2005年3月2日「ロスバスタチンは、アジア人では副作用の危険が増加するおそれがある」とする警告を発表しました。
 その警告によると、他のスタチン系の薬と同様ロスバスタチンでも、横紋筋融解症がまれに起こる恐れがあるが、アジア人患者では血中濃度が白人の約二倍高いとの結果が市販後の臨床試験で示されたため、その分、このような重篤な副作用の危険性も高まる可能性がある、ということです。
 このアジア人についてのFDAによる警告にもとづいて、ロスバスタチン(クレストール)の米国添付文書はつぎのように改定されています。

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[薬理;薬物動態・代謝;特定の集団]
・・・アジア人では白人に比べて薬物血中濃度(AUC, Cmax)が約2倍に上昇した。

[警告;ミオパシー/横紋筋融解症]
 ミオグロブリン尿(筋肉が壊れることにより起こる)に続く急性腎不全を伴う横紋筋融解症がまれなケースではあるが報告されている。この副作用は同じクラスの薬(他のスタチン剤のこと)でも報告されている。
 ミオパシーは40mg錠の臨床試験で0.1%報告されている。ミオパシーと横紋筋融解症の発症は用量増加(5〜40mg)とともに増加した。市販後データでは、筋肉痛、ミオパシー、横紋筋融解症の発症は、ロスバスタチンと他のスタチン剤は同程度である。ただしロスバスタチン40mgでは、これら副作用の発症が他のスタチン剤よりも多い。ミオパシー発症の予測因子は、65歳以上、甲状腺機能低下、腎不全であろう。

[使用上の注意;一般的注意]
 米国での大規模な薬物動態試験結果では、アジア人(フィリピン人、中国人、日本人、韓国人、ベトナム人、アジア系インド人)は、白人に比べて薬物血中濃度が上昇した。アジア人での投与量はこの血中濃度上昇を考慮して決めるべきである。

[用法・用量;アジア人での用量]
 開始時は1日5mgとすべきである。高コレステロール血症のコントロールが不良で、1日5、10、20mgと増量する場合は、白人よりも血中濃度上昇の可能性があることを考慮する。