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FDA諮問委員会での利益相反ルールの不適切な運用にパブリックシティズンなど8団体が抗議

2017-04-17

(キーワード:FDA,知的バイアス,委員の公正性, appearance(利益相反があると第三者から見られる状態))
 
 FDAは個々の諮問委員会メンバーについて利益相反(COI)の有無をスクリーニングし判断する手続きに関するガイダンス草案を発表しているが、パブリックシティズンなど8団体は、FDAがこの草案には書かれていない「知的バイアス」を既に日常的に不当に運用して、パブリックシティズンなどの参加者を議決から排除し続けているとして、抗議書をFDAの Division of dockets management に送った。以下に、パブリックシティズン・サイト(2016年11月25日)(※1)に発表された「利益相反の評価とFDA諮問委員会への参加を許可する手順に関するFDAのガイダンス案に関するコメント」の要約を紹介する。
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 国民的支援組織メンバーのNPOはFDAガイダンスに関するコメントを2016年6月29日に提出した。そのガイダンス草案は、諮問委員会のメンバーが連邦COI規制法のもとで参加・議決を否認する要件は生じないが、appearance問題として知られる「利益相反があると第3者からみられる状態」に関して、特定の議題に関して利害関係があるかどうか、公正性を欠いているかどうかを評価するための手続きとして位置付けられるものだ。

 全体としては、我々は、FDAが少なくとも、開示すべき利益相反として、利害関係を含む広範囲の状況を特定し、諮問委員会のメンバーの申告を合理的に判断することができるガイダンスを提案したことを称賛するものである。しかしながら以下に説明するように、「諮問委員メンバーの公平性についての疑念を惹起するかもしれない他の状況」の実際に運用について我々は重大な懸念を抱いている。とりわけ、連邦COI規制法の§502を過度に拡大解釈し、「知的バイアス」(草案にもこのフレーズは書かれていないのだが)を個々の諮問委員会メンバーのCOIのスクリーニングにおいて既に常に適用させて、諮問委員会からメンバーを不適切に排除し続けていることをますます推進するものである。たとえば「薬局調剤諮問委員会」と「骨・再生・泌尿器系薬委員会」の直近の委員会では、利益相反申告用のFDA3410様式の公平性/知的バイアスという項で、諮問委員会の問題に関連したステートメント(書面、口頭)を発表したことがあるかどうかといった内容を記入させられた。この質問への肯定的な回答をもって、その薬に関して最も知識のあるメンバーの参加と議決の権利を失格させることを意図したものだ。

 §502(a)(2)項の解釈について、雇用関係にあることでの疑念として、特別に4つの状況を記述しているがFDAはこれらの包括的カテゴリーを特定できていない。拡大解釈によって「諮問委員会に就く前に生じた問題課題に関して何らかの立場で読者等に指示をするようなステートメントを公表(書面または口頭)した(いわゆる知的バイアス)」り、「諮問委員会メンバーが従事しているまたは所属している組織が何らかの立場にあり、諮問委員会に着任する前に起きたある問題課題に関して、請願書の提出、声明の発表、書簡、または証言を行った」などの状況の有無について、委員会メンバーに対して調査し、いずれかが見つかれば委員会から不適切に不当にも除外している。

 たとえば、パブリックシチズンのMichael Carome医師は消費者代表メンバーとしてFDAの調剤諮問委員会(PCAC)の委員を務めているが、各委員会会議の前に知的バイアスがあるとされ、PCAC会議で検討されるべき課題についてパブリックシチズンがとっている立場または何らかの問題事項を書いているかのどうか調べられた。彼はある問題について議論には参加できたが、採決からは除外された。FDAに対してまたは証言の中で意見を述べていたからだ。別のケースでは、彼自身がPCACで検討している問題に関して、特定のアクションをFDAに要求していた。

 我々はこのような§502(a)(2)の拡大解釈に反対する。その第1の理由として、パブリックシチズンのような組織とそこで働く従業員は、FDA諮問委員会の課題がとのような結果となったとしても、薬剤の安全性という一般的な関心以外、個人的な財産その他の利益にはなんの影響も与えない。第2に、連邦諮問委員会法(FACA)は、諮問委員会のメンバーが、会議の参加において委員会の前に何等かの問題に関する立場を表明していたからといって、完全にまたは部分的にも排除されることを要求していない。むしろ「諮問委員会のメンバーシップは表現された視点の点や、諮問委員会が果たす機能において公正でバランスがどれていること」を要求している。
 
 我々はFDAに対し、直ちにこのような諮問委員会メンバーへの財政的利害や他の関係性について、公正性の欠如の判断においての調査におけるこのような考え方の適応をやめ、諮問委員会メンバーの「利益相反があるとみられる状態」問題に際して、このような状況を検討しないよう明白に述べるようガイダンスの改訂を求める。

◆コメントを提出した他の7団体
Center for Digital Democracy (※2)
Government Accountability Project(※3)
National Coalition Against Censorship(※4)
National Women's Health Network(※5)
Project on Government Oversight(※6)
Union of Concerned Scientists(※7)
Woody Matters(※8)
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 FDAの諮問委員会参加への適格性を判断するための手順に関するガイダンスは、2007年に制定されこれまで数回の改訂を経て、透明化の改善に努めてきているように見える(※9)。今回の草案は、appearance問題に関連してのものだが、拡大解釈というよりは誤用または悪用と言えるかもしれない。厚生労働省がこの草案を参考にすることのないよう注視したいものだ。(N)