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ICMJE(国際医学雑誌編集者委員会)が著者と企業との利益相反開示の統一様式を提示

2009-12-28

(キーワード;利益相反、開示情報の統一、ウェブ登録フォーム)

 ICMJC(国際医学雑誌編集者委員会)が、加盟雑誌で共同の声明を出した。生物医学雑誌における利益相反開示は今では当たり前となってきている。著者とさまざまな企業との間の関係情報を開示することは、読者が論文に書かれた情報に何らかの歪みが生じる可能性を認識し公正性を理解するのに役立つからである。それほど重要な情報でありながら、利益相反開示の様式は、これまで雑誌によりバラバラであり著者にとっても煩雑な作業であった。今回ICMJCが提案する統一様式はWeb上で登録・保存ができ繰り返し利用することが可能である。加盟雑誌においてはもちろんのこと、非加盟雑誌においてもこの統一様式による開示を推奨している。ICMJCは、このWeb上で登録できるこの様式の試行運用期間を2010年4月10日までとし、システム上の問題を含め修正のうえ本運用したいとの考えである。ニューイングランド医学雑誌(NEJM)に掲載された論説から、統一様式の趣旨と概要を紹介する。
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 多くの雑誌が、著者に金銭的関係についての情報を所定の様式によって申告することを求めているが、著者は同じような情報を異なるそれぞれの雑誌に多様な様式で提出しなければならず、またその報告要求事項が雑誌間でわずかに異なるため、読者の混乱も生じている。
 今回、ICMJE加盟全雑誌の論説で一斉に開示の新しい様式を紹介し、適用することにした。この統一様式では、論文に報告されている調査研究が企業の利益に影響し、利益相反の状況が生じるとみなしうる企業との関係について、多量の情報を要求するものとなっているが、われわれの目的は開示の手続きを簡単にすることである。新しい様式は個々の雑誌特有の開示情報を再入力する必要を省く。我々は、公共に供される他の雑誌にもこの報告様式が適用されることを勧める。

〔統一様式で開示を求める4つの情報〕
1.投稿論文に報告されている業績に対して支援を提供した企業との結びつき(報告されている業績の全期間)
2.論文に述べている業績との関連に限らない利益相反を有するとみなしうる企業との結びつき(投稿前36ヶ月間)
3.配偶者や子(18才未満である場合も含む)などの同様の財政的結びつき
4.原稿作成を手助けするというような非財政的なつながり 
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 利益相反は、公正であるはずの科学研究の成果とその評価に歪みをもたらす根源ともいうべき重要な問題である。当会議ではこれまでも利益相反に関する海外の情報を紹介してきたが、わが国の医学研究における「産官学連携」体制のもとで、利益相反の問題性認識はきわめて低いといわざるをえない。わが国においてもすべての医学雑誌で、これらの開示が当たり前になるべく、率先してこのような開示様式の採用にとりくんでもらいたいものだ。(N)