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米国のワクスマン議員が、FDAは消費者保護より企業のための規制緩和を優先していると批判

2009-03-25

(キーワード:ワクスマン、FDA、規制緩和、製造物責任、消費者保護)

 米国下院のワクスマン議員が、FDAは公衆衛生を守るよりも、医薬品や医療用具についての市場規制を緩和することと、企業の製造物責任を軽減することに関心があるようだと批判している(Cathy Dombrowski: The Pink Sheet,2008年9月22日号、28頁)。議員と彼の委員会(下院・監視行政改革委員会)が問題にしているのは、FDA内部でやりとりされたEメールで、2007年6月に、当時の主任法律顧問のシェルドン・ブラッドショウ氏の特別補佐だったスコット・ダンジス氏が、FDAが優先すべき施策(regulatory and guidance priority)としてリストアップした8つの施策である。議員は、その何れもが企業の要求を消費者保護より優先していると非難しており、FDA長官あての書簡でこれらがどうして公衆衛生のためになるのかについて説明を求めている。問題とされている施策は、マーケティング業務に関連するガイダンスで、以下が含まれている: 雑誌記事の抜刷りの利用、適応外使用(医師の判断で、その医薬品の使用が承認された病名以外の病気に使用すること)の促進、企業による疾病啓発コミュニケーション(※1)への協力、消費者向け広告印刷物での短い要約とリスク情報、特定の医療用具についての消費者向けの放送広告、添付文書の安全性情報更新を規制当局の事前承認を得ずに企業が行ったことを明確にする規則(※2)、など。
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 FDAは米国で初めての消費者保護を目的とした官庁として創設され、「食品医薬品法」の制定(1906年6月制定)を起点とすれば、2006年6月に創立100周年を迎えたが、この年、処方箋医薬品の安全性問題と緊急避妊薬の薬局等への販売移行承認問題が大問題となり、国民からの厳しい批判に曝された(※3)。そのFDAの医薬品安全性監視権限を強化するFDA再生法が2007年9月に成立した(※4)が、ワクスマン議員のような批判の存在は、FDAが国民の安全を守る上で未だ「再生」を果たしていないことを示唆している。 (KK)