「医法研・被験者の健康被害補償に関するガイドライン(改定案)」に関する意見を提出
2015-02-28
当会議は、2月26日、医薬品企業法務研究会に対し、「医法研・被験者の健康被害補償に関するガイドライン(改定案)」に関する意見を提出しました。
治験中の被害について適切な補償が受けられることは、被験者の権利の重要な要素です(ヘルシンキ宣言、GCP省令14条等)。そこで、本来であれば、補償に関する基本的内容は公的な規範によって定められるべきですが、日本では、医薬品治療研究会(略称:医法研)が作成したガイドラインがその機能を果たしています。今般、このガイドラインについて、医法研が改定案を公表し、パブリックコメント募集を行いましたので、当会議は意見書を提出しました。
意見書は多岐に及びますが、特に因果関係に関する規定の改定に強く反対しています。
改定案は、治験補償の対象となる被害を、治験薬等と健康被害との間に「因果関係が認められる」ものとし、「因果関係が認められない場合」は補償しないとしているからです。治験の段階にあっては、情報は当該企業にのみあり、因果関係を判断するうえで必要な科学的な知見や情報の集積がないか著しく乏しい状態にあります。従って、「因果関係の認められる」ことを要件とすることは、被験者保護に著しく欠け、「GCP省令14 条のガイダンス注 1)が『(略)因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにすること』」としていることにも反します。
因果関係が否定できない限り補償の対象とし、「治験依頼者において、因果関係がないことを立証した場合」に限って補償しないとするべきです。
その他、補償と賠償の関係、補償内容の公表と明示、ワクチンの治験の場合、抗がん剤の扱いなどについて意見を述べました。詳しくは、「関連資料・リンク等」欄の意見書をご覧ください。
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