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薬事分科会審議参加規程の見直しを再度要望

2014-12-25

 当会議は、本日(12月25日)塩崎恭久厚生労働大臣と、薬事分科会審議参加規程評価委員会・樋口範雄委員長に対して「薬事分科会審議参加規程の見直し等に関する要望書」を送付しました。

 厚生労働省では薬事行政に専門家の意見を反映させるため各種審議会・分科会等を設けていますが、特に医薬品の承認・評価等にかかわる委員たちが、特定の製薬会社から寄付金、講演料、原稿料、コンサルタント料を受け取るなどの利害関係を持っていると、審議の公正さや信頼性が損なわれるおそれがあります。こうした状態を利益相反と呼び、厚生労働省はその適切な管理のために2008年に「薬事分科会審議参加規程」を設けて、各委員に対し、直近の過去3年度の製薬会社からの金銭の受け取り状況について申告させ、それを公表するとともに、その金額によって、審議に参加できない、審議には参加できるが議決に参加できないといった制約を設けるしくみを作りました。

 しかし現行の参加規程では、各委員は、過去3年間で最も多い金額を受け取った年度のみについて、しかもその金額が「50万円以下」「50万円超500万円以下」「500万円超」どのグループに属するかのみを申告すればよく、具体的に、どの製薬会社から、いつ、どのような名目で、いくら受け取ったかは、はっきりわからない仕組みになっています。

 その結果、例えば、受け取った金額が3年前の51万円なのと、3年連続500万円なのとでは、その意味が全く違うにもかかわらずその区別はつきませんし、その薬の問題についての審議中に、審議対象となっている薬を製造販売する製薬会社から金銭を受け取った委員がいたとしても、国民にはそれがわからないということもありうるというのが現状です。

 そこで当会議では、現行の薬事分科会審議参加規程を見直し、抜本的に改善することを求めました。

具体的には

(1)委員が受け取った金銭の過去3年分について、具体的な内容(いつ、どの企業から、どのような性質のものとして、いくら受領したのか等)を申告させ開示する。

(2)審議参加や議決参加の基準額を現行(50万円、500万円)よりも低額にする。

(3)審議期間中に審議対象となっている医薬品や医療機器の製造販売企業から金銭等を受領するなど新たな利益相反関係を生む行為をすることを禁じる。

ことを求めています。

 また、現在、本規程の運用の妥当性等について検討している「薬事分科会審議参加規程評価委員会」の委員のうち、3年連続で50万円超500万円以下の金銭を受け取っている委員がいることに関しては、その委員の職業が弁護士であることからすれば製薬企業の顧問等継続的な関係があるのではないかとの疑問も生じるため、同「評価委員会」の委員構成も見直すべきであることも、あわせて要望しました。

 当会議は、2014年4月28日にも、厚生労働大臣に対し「厚生労働省の審議会の利益相反管理ルールの見直しを求める要望書−HPVワクチンに関する審議会委員の利益相反を踏まえて−」を提出していますが、その後、上記「評価委員会」が4年3か月ぶりに開かれて、規程の運用の妥当性等について検討を始めたため、その審議において、規程の抜本的見直しを求めて改めて要望をしたものです。