「『企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン』に関する意見書」を提出
2013-02-19
薬害オンブズパースン会議は、2013年2月19日、日本製薬工業協会、日本医師会、日本医学会、同利益相反委員会に対し、「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に関する意見書を提出しました。
日本製薬工業協会が2011年1月に策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に基づく情報の公表が本年4月から予定されています。
これは、医師や研究者に支払った金銭について各企業がインターネットで公開するというもので、公開の対象は、研究費、寄附金、講演料や原稿執筆料、医学・薬学関連文献等情報提供費、接遇費などに及んでいます。
産官学連携によって生じる利益相反関係が、医学研究や医薬品の評価の公正さを歪める可能性があることは広く認められています。そして、情報公開を徹底し、透明性を高めることは、公正さを担保する最も基本的な方策です。
ところが、日本医学会利益相反委員会や日本医師会では、実施に対する反対意見や消極意見が出されています。
透明性の確保のための積極的な取り組みは、金銭を払う側と受領する側の双方に求められています。その実施を目前にして、本来は自ら率先して透明性の確保に取り組むべき立場にある医療界から消極意見が出て、予定どおりの実施が危ぶまれるという展開は理解に苦しむもので、社会的な不信を招くといっても過言ではありません。
そこで、 製薬工業協会と日本医師会に対し、透明性ガイドラインを予定どおり本年4月から実施するべきであるという意見をまとめ、提出いたしました。