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一般用医薬品のインターネット販売禁止を求める声を上げてください

2008-11-11

 2006年に改正された薬事法(2009年6月施行予定)施行規則をめぐり、一般用医薬品(医師の処方箋なしに購入できる医薬品)のインターネット販売が問題となっています。
 改正薬事法により、一般用医薬品は、リスクの高さに応じて第1類から3類までの3つのグループに分けられ、第1類については薬剤師による説明文書を用いた積極的説明義務、第2類(風邪薬や胃腸薬など主要な一般用医薬品が入る)については薬剤師または登録販売員による積極的説明努力義務、第1類から第3類まで等しく専門家による相談応需義務が定められました。また、リスク区分に応じた店舗内の陳列方法や、薬剤師、登録販売者の名札明記などが求められます。
 この改正は、ドラッグストアー等において、一般用医薬品が何の情報提供もなく販売されてきた現状を改善し、「対面販売」を原則とし、リスクの程度に応じた実質的な情報提供と専門家による相談応需を確保することを主たる目的として行われたものです。
 そこで、厚生労働省は、施行規則改正案の作成に当たり、第1類と第2類について、インターネット販売禁止の規定を設けました。
 インターネット販売の原則禁止は、医薬品の販売は、安全確保の観点から「対面販売」を原則とするという考えに基づくもので、法改正の元となった「厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書」(薬害被害者や消費者団体代表が委員として参加)や国会の審議経過にも合致するものです。
 民間の医薬品監視組織である薬害オンブズパースン会議や、サリドマイド・スモン・薬害エイズ・薬害ヤコブなど過去の薬害事件の被害者らで構成する全国薬害被害者団体連絡協議会は、「対面販売」原則の強化という観点から、さらに第3類も含めたインターネット販売の全面禁止を求めています。仮に将来一定の条件のもとに例外的にインターネット販売を認める可能性があるとしても、それには十分な時間をかけた議論が必要であり、少なくとも改正薬事法はインターネット販売を予定していません。
 これに対し、インターネット販売業者は、消費者の「利便性」を損ない、規制改革の流れに反するなどとして規制に反対し、第1類から第3類まですべての一般用医薬品についてインターネット販売を認めよと主張しており、規制改革会議も同一の立場をとっています。
 しかし、消費者の求める「利便性」は、あくまで「安全性」を前提にしたものであるはずです。サリドマイドもスモンも一般用医薬品によって起きた薬害です。現在も、スティーブンス・ジョンソン症候群など一般用医薬品による重篤な被害が発生しています。
 仮に、私たちが、ここで、インターネット販売の規制を放棄すれば、一般用医薬品の安全性確保は大きく後退し、将来に大きな禍根を残すことになることは明かです。 
 是非、インターネット販売の禁止を求める声を上げていただきますよう御願い致します。