「アビガン「観察研究」の即時中止を求める再度の意見書−アビガン投与患者の致死率の高さを踏まえて−」を提出・公表
2021-09-13
薬害オンブズパースン会議は、2021年9月13日、厚生労働省、藤田医科大学、富士フイルム富山化学株式会社に対し、「アビガン「観察研究」の即時中止を求める再度の意見書−アビガン投与患者の致死率の高さを踏まえて−」を提出しました。
2021年4月19日に、藤田医科大学の「ファビピラビル等の抗ウイルス薬が投与された COVID-19 患者の背景因子と治療効果の検討(観察研究)」の中間報告第3報 が公表されましたが、そこで示されたアビガン投与患者の致死率は、国内の新型コロナウイルス感染症入院患者を登録しているレジストリ研究のデータが示す致死率と比較して、高いものとなっています。
一方、有効性については、単に示されていないというだけではなく、国内治験やクウェートでの臨床試験など、複数のランダム化プラセボ対象試験において、証明に失敗しています。
アビガンは、観察研究の名のもとで、既に約1万例に投与されています。
有効性が示せず、高い致死率が示され、催奇形性の危険のあるアビガンの使用をこれ以上継続することは、薬機法や倫理原則に照らして認めるべきではありません。
そこで当会議は、
(1) 厚生労働省及び富士フイルム富山化学株式会社は、藤田医科大学の「ファビピラビル等の抗ウイルス薬が投与された COVID-19 患者の背景因子と治療効果の検討(観察研究)」に参加することを条件として行われているアビガンの供給を即時中止し、藤田医科大学は、アビガン投与患者の新たな患者登録を即時中止すること
(2) 厚生労働省は、厳密なランダム化比較臨床試験による有効性の証明、及び危険性とのバランスの適切な評価をすることなしに、アビガンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認しないこと
を改めて求めました。
上記意見書の詳細と、当会議が本意見書の前に公表した2通の意見書は、以下の「関連資料・リンク等」欄をご覧ください。