日本小児科医会作成のHPVワクチンのポスターの事実誤認を指摘し、訂正・回収等を求める要請書を送付
2021-04-26
薬害オンブズパースン会議は、2021年4月25日付で、日本小児科医会に対し、同会作成のポスター「HPVワクチンってなんでしたっけ?」の訂正・回収等を求める要請書を送付しました。
2020年2月に公開されたこのポスターには、「日本で毎年約10000人の若い女性が子宮頚がんを発症し、毎年約3000人が尊い命を落としています。」と書かれていますが、2017年の子宮頸がん罹患者総数は11012人であり、そのうち50歳以上の患者が6445人を占めているという状況にあり、若い女性が毎年10000人も子宮頸がんを発症しているというような事実はありません。
このような表現では、あたかも若い女性が毎年3000人も死亡しているかのような誤認を招くおそれがありますが、そのような事実が全く存在しないことは、すでに当会議が東京小児科医会・東京産婦人科医会・東京都医師会に対して指摘したとおりです。
日本小児科医会のポスターにこうした誤りが含まれていることが、2020年4月20日の参議院厚生労働委員会において指摘されたにも関わらず、日本小児科医会のウェブサイトではその後もこのポスターを公開し続けており、極めて遺憾です。
しかもこのポスターには、未だHPVワクチンによる子宮頸がんそのものの予防効果やその持続時間が実証されていないにも関わらず「子宮頸がんの発症を約7割予防します」との断定的な表現が用いられており、薬機法66条1項において医薬品の虚偽または誇大な記事の流布等が禁じられていることへの違反すら疑われます。
そこで当会議は、このポスターをただちにウェブサイトから削除し、すでに配布されたものを回収するとともに、こうした事実誤認や不適切な記載があったことを明記して使用中止を呼びかけるよう、同会に要請しました。
同会には、2021年5月15日をめどに文書回答するよう求めています。