No.5 (1999-04-01)
昨年9月8日、タイアップ仙台は、脳循環・代謝改善剤に関する住民訴訟を仙台地方裁判所に提起しました。請求の内容は、[1]薬の卸売業者6社に対して、厚生省に有効性を否定された4成分15品目の脳循環・代謝改善剤の売買代金の返還、[2]仙台市立病院の事業管理者に対して有効性の明らかでない同種薬の購入差止を求めるというものです。
これに対し被告らは、本件監査請求は請求期間を途過しており、訴えが不適法である等の法律論を持ち出し、薬の有効性に関する審理に入る前に訴えを却下することを求めてきました。これに対し、原告側は、被告らの法律論に逐一反論し、薬剤の有効性に関する実質的な審理に入ることを求めました。
裁判所は、少なくとも前提の法律論だけで却下できる訴訟ではないと述べ、被告らに実質的な主張を促しました。その結果被告らからは「本件各薬剤は現時点において有用性が確認できないとはいうものの薬理効果自体は否定されるものではない」との主張がなされ、いよいよ各薬剤の有効性に関する審理が始まろうとしています。 原告側は、各薬剤の承認申請時及び再評価申請時に厚生省に提出された文書を裁判所に送付するよう文書送付嘱託を申し立てました。被告らからは、強い反対意見が出されたのですが、裁判所は原告の申立を採用し、厚生省に文書の送付を嘱託する運びとなりました。これらの文書が提出されると、厚生省内における審理の経過が明らかになり、大きな成果が期待されます。
この結果については、追ってご報告いたしますので、今後ともご支援をお願いします。