No.5 (1999-04-01)
弟は父の仕事を継ぎ両親の生活を支えていました。喘息持ちでしたが、スポーツマンで年中色々なスポーツを楽しんでいました。ところが、結婚を考えている人もあった弟は、24歳という若さで突然亡くなりました。痰が詰まったのではとの医師の説明でしたが、吸引をしても何も出ず、苦しんだ様子もなく、私たちは納得できずに悶々とした日々が続きました。
弟の死から3年後、ベロテックに関する新聞記事を見たとき、弟は喘息ではなく、この薬で亡くなったと確信しました。しかし、無知な私たちにはなす術がありませんでした。そんな時、薬害オンブズパースンの存在を知り、弟が自分の死因の究明とこの薬の使用廃止を望んでいると思い、パースンに連絡しました。これがきっかけで、今回医薬品機構への申請に至ったのです。
現在、この薬の使用減少とともに、死亡率も減少していると聞きました。弟も、自分の死が無駄ではなかった、この薬を使用している人々に忠告できたと喜んでいると思います。
一日も早くこの薬に頼らない医療の確立が残された私たちの望みです。