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 現在の医療基本法制定運動は、2009年の「ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会報告書」での指摘から始まりました。私たちは1991年から開始した患者の権利法制定運動の視点から取り組みを行っています。

 私たちの医療基本法構想は以下のような考え方です。

 医療制度の目的は病者・患者・被験者(以下、病者等)の人権保障であり、高い公共性・公益性の理念に基づいて制度づくりをする必要があります。そして公共性の柱は医療供給体制(量・質・財政)の公的コントロールであり、①政策形成過程への病者等及び国民の参画、②関係者の役割(権限と責務)の明確化が必要というものです。

 なお病者等の人権には権利侵害の回復・救済を求める権利も含まれ、この点に関するシステムの明示も求めています。

 2016年の5団体の提言(共同提案20団体、賛同団体23団体)による共同骨子(7項目)は以下のとおりです。

 ①医療の質と安全の確保、②医療提供体制の充実、③財源の確保と国民皆保険制度の堅持、④患者本位の医療、⑤病気又は障がいによる差別の禁止、⑥国民参加の政策決定、⑦関係者の役割と責務です。

 この共同骨子は、医薬品の安全性にもかかわり、民間監視団体である当会議も賛同しています。

 この制定運動は、2018年に超党派の議員連盟を生み、法制定に向けて活動中です。この1年間コロナ禍で議連の動きは止まっていますが、私が所属する「患者の権利法をつくる会」も共同骨子の提案団体として「医療基本法と新型コロナウィルス感染問題に関する論点整理」(2020年7月)、当会議を含む40団体による共同意見書「医療基本法に関する私たちの意見」(2020年11月)、「感染症法改正に関する意見書」(2021年1月)を発信しています。これらは「患者の権利法をつくる会」のホームページをご覧下さい。

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