薬害根絶デー報告

　1999年8月24日、当時の厚生省は、薬害エイズ事件の反省から薬害根絶を誓った「誓いの碑」を建立し、薬害防止に最善の努力を重ねていくことを約束しました。いまだに断たれることのない薬害の根絶を願い、市民や薬害被害者がこの日を薬害根絶デーとして、集会や厚生労働省、文部科学省との交渉を毎年行っています。

　今年も、19回目を数える薬害根絶デーにあわせ、8月23日と24日の2日間にわたって様々なイベントが開催されました。

　8月23日には前夜集会を開催し、薬害の根絶を訴える薬害被害者や弁護士、薬剤師をはじめとした医療関係者や学生、一般市民など約140人が参加しました。

　今年の集会では、ＨＰＶワクチン（いわゆる子宮頸がんワクチン）の副反応被害を中心に、スモン被害の闘いのあゆみと現代的課題について被害者ご本人のお話をうかがうとともに、医薬品副作用被害救済制度についての学生報告がありました。

　薬害根絶デー実行委員会では、例年、2月ころから毎月１回の例会や学習会を通じて準備をしていくのですが、今年は、ＨＰＶワクチン被害やスモン被害の学習会などを行い、そのなかで学生のみなさんが、医薬品副作用被害救済制度について疑問を持ち、研究と報告をしました。準備に当てることのできた期間は短かったものの、サリドマイド被害からＨＰＶワクチンによる現在の被害にいたるまでの各薬害の紹介と被害救済に対する国の対応をまとめた、非常に充実したものになりました。

　来年の薬害根絶デーは第20回になります。薬害の根絶という趣旨からは、回を重ねることは望ましくないのかもしれませんが、節目となる年に、より 一 層広く薬害根絶を訴えることができるよう努力を続けていきたいと思います。