イレッサ情報公開訴訟

　昨年7月の販売開始直後から多数の死亡例を含む副作用被害を多発させた抗がん剤「イレッサ」について、当会議では、その安全性を検討するために必要なデータの情報公開請求を昨年12月と今年4月の2度にわたり行いましたが、厚労省は、最も重要な承認申請資料等の開示を拒否しました。そこで、8月1日、今年4月の請求に対する一部不開示決定の取消を求める訴訟を東京地裁に提起しました。
　厚労省は、承認申請資料を開示すると他社による承認申請が容易になり、メーカー(アストラゼネカ)の正当な利益を害すると主張していますが、一企業の経済的利益よりも多数の患者の生命、健康を優先すべきは当然であり、イレッサの安全性に関するデータは開示されなければなりません。
　昨年12月請求分の一部不開示決定に対して行った異議申立の手続では、アストラゼネカが「不開示とすべき」という意見書を提出しており、本件でもアストラゼネカの訴訟参加が予想されます。今後の医薬品に関する情報公開のレベルを左右する可能性のある訴訟ですので、医療関係メンバーと法律関係メンバーを中心に、総力を挙げて戦わなければならないと考えています。ご支援をよろしくお願い致します。