No.54 (2017-03-01)
一斉提訴した福岡、大阪、名古屋の各地裁に続き、HPVワクチン薬害東京訴訟の第1回口頭弁論期日が2017年2月13日に開かれました。
当日のきびしい寒さにもかかわらず、東京地方裁判所前には温かく力強い支援の輪が広がりました。期日前に開催されたリレートークでは、応援のフラッグやハンカチメッセージの中、過去の薬害被害者や支援者の方々がご自身の思いや救済への願いを語ってくださいました。
多くの傍聴希望者がお越し下さったため、傍聴券は抽選となり、法廷は満席。いよいよ始まった口頭弁論では、原告、被告GSK、被告MSDがそれぞれ意見陳述を行いました。
原告本人の意見陳述は、原告団代表酒井七海さんが務める予定で懸命に準備を整えていましたが、直前に、硬直発作と呼吸困難、これまで見られなかった激しい不随意運動が現れて緊急入院となり、出席が叶いませんでした。
代わって原告の園田絵理菜さんが、これまでの経過と訴訟にかける気持ちを述べられました。重畳化していく症状、動かない身体、合格圏内にあったのに諦めざるを得なかった進路…普通の毎日は失われてしまいました。そして、「私達をデータとしてだけ見るのではなく、何より人間として見て下さい」と訴えました。
なお、弁護団では、残念ながら傍聴に入れなかった方のため、別会場で特別企画を開催しました。事件の概要説明、ビデオ上映、意見陳述の代読などを行い、多くの方にご参加頂きました。
期日終了後の報告集会も盛況で、ここでも原告や支援者の方々から、今後に向けた力強い発言が相次ぎました。
園田さんの意見陳述の中に、こんな言葉がありました。
「体も痛くて苦しいですが、それ以上に心が痛くて苦しいです」
たくさんの痛みに耐え、それでも前を向く若い彼女たちに、どうか一人でも多くのご支援をお願いいたします。
第2回期日:
2017年5月10日 午後3時〜4時30分
東京地方裁判所 103号法廷