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 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種した後に生じる広範な疼痛や運動障害について、厚労省の検討会は、注射による疼痛を原因とする「心身の反応」であるという結論をまとめ、ワクチン成分が原因であると説明することは困難であるとしました。

 この結論の不当性を訴え、接種の積極勧奨再開に反対する集会を2月6日に実施しました。集会参加者は約200名、全国から被害者や家族、地方自治体の議員、国会議員などが集まりました。

 この中で、厚労省の「痛み研究班」の病院を受診した複数の患者の方から報告された治療実態に衝撃を受けました。研究班の病院だからと、すがる思いで受診したところ、医師から、「ワクチンのせいだと思うから痛くなる」「親が大丈夫かと声をかけるから本人が痛みにとらわれて悪化する」などと一方的に言われて深く傷ついたというのです。

 研究班ができても、被害者が適切な医療を受けられずに苦しんでいる状況は続いています。厚労省検討会では、「心身の反応」だから、安心できる環境での接種が有効とし、研究班のフォロー体制があることを伝えることも安心につながるとしていますが、そもそも、副作用の発生頻度も正しく把握されておらず、治療法も確立していないのですから、安心の空手形を発行するようなものです。

 薬害オンブズパースン会議では、科学的分析を行うとともに、被害者連絡会に協力して全国で被害実態の聴き取り調査を行い、被害実態を明らかにしていく予定です。

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