No.22 (2005-07-01)
2005年4月現在、イレッサによる副作用患者数は1555人、副作用による死亡は607人と公表された。
イレッサの副作用被害は大きく二つのグループに分けることが出来る。一つのグループは、2001年秋頃から2002年12月頃までに服用した患者たちで、この時期は「副作用は少なく希望の薬、夢のような新薬」という情報のみで何の疑いもなく服用した。結果、息が出来ない苦しさに戸惑い、もがきながら亡くなったがイレッサによる副作用と知らずに死んで行った。
もう一つのグループは、2002年10月後半から現在までに服用して亡くなった患者たちである。この時期に服用した患者たちは、運が悪ければ副作用で死亡することを覚悟しながら、それでも治療薬として服用して、多くの患者たちが被害に遭い死亡した。患者たちの生き続けたい思いを巧みに利用して、延命効果は認められないと言われている薬を治療薬として服用させ、そして亡くなったら自己責任で片付けられてしまうことが果たして許されるのだろうか。アメリカでは延命の効果はないとして新規の服用は避けるように勧告が出た。欧州の各国では承認申請すら取り下げて薬としての評価はゼロである。にも係わらず日本では厚労省の優柔不断な決断が、イレッサに対する評価を曖昧にしてしまい被害を大きくした。私たちは今裁判によって製薬会社と国に対して責任を追及している。一日も早く全ての非を認めて被害者に対する謝罪と補償を望んでいる。