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2002年7月、承認申請から半年足らずで「異例のスピード」された肺癌治療薬イレッサ。承認からわずから3ヶ月で、間質性肺炎等により57人の死亡者を出して緊急安全性情報が発出されましたが、その後も間質性肺炎等による死亡者は増え続け、2005年4月月22日現在、厚生労働省が把握しているだけでも、間質性肺炎等の発現は1555人、死亡者は607人に達しています。
 2004年12月、このイレッサについて、大規模臨床試験ISELの結果、延命効果がないことが明かになり、米国薬品食品局FDAは、イレッサの市場からの回収も視野に入れた対応策を検討する旨の声明を出しました。そして、本年6月、米国ではイレッサの添付文書が改訂され、すでに服用して効果のあった患者に限り、新規患者への投与は禁止されることになりました。
 わが国では、ISELの結果を受けて、ゲフィチニブ検討会が本年1月から3月にかけて合計3回にわたって開催されましたが、東洋人には延命効果が示唆されたとして、イレッサは日本肺癌学会が作成したガイドラインに従って使用すればよいという結論を出しました。
 しかし、この検討会は審議手続において適正を欠き、討議内容や結論も科学とはほど遠いものと言わざるを得ません。
 当会議では、審議手続上の問題点について意見書を公表しましたが、肺癌学会に対する公開質問書を準備中です。 

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