No.11 (2001-05-01)
いよいよ「情報公開法」がスタートしました。
病院の薬事委員会の議事録の情報公開請求については既にご紹介したとおりですが、去る3月30日、厚生労働省は正露丸による肝機能障害3例が報告されたことを理由に、正露丸の「使用上の注意」の改訂を指示したことを明らかにしましたので、当会議では、これに関連する情報についても開示請求を行いました。
ところで、薬害防止のキーワードが「情報公開」であることを強く意識させたのは薬害エイズ事件です。薬害エイズ事件では厚生省に集まった情報が、専門家らによって誤って分析され、そこで腐り、市民や患者には伝えられませんでした。
薬害オンブズパースンを発足させるとき、私達がよく話し合ったことは、薬害エイズ事件が発生した当時、どんな市民団体があって、どんな活動をしていたら、被害の拡大を未然に防ぐことができただろうかということです。情報はまず手に入れることが必要です。情報公開法はそのための貴重な武器です。しかし、情報は、適切に分析し、必要な人に提供することができて初めて意味をもちます。
当会議も発足4年目に入り、月1回の定例会議も2001年5月で47回です。この間の活動によって危険な薬をかぎ分ける嗅覚と分析力は身に付いたけれども、分析結果を患者や市民に届けるパイプがまだまだ細いなぁというのが実感です。初心にかえって活動したいと思います。変わらぬご支援をよろしくお願いします。