No.9 (2000-09-01)
マイリスの問題点(有効性と安全性)については7号で報告しました。子宮頸管熟化効果はあっても、難産防止の効果は証明されておらず、かえって母児への悪影響を示唆するデータもあるのです。
当会議は厚生省、製薬企業、日本母性保護産婦人科医会、日本産科婦人科学会へ要望書を送付いたしました(3月22日)。
加えて、前記学会(6月2日)と11名の治験担当医(4月20日)に質問書を送付しました。学会からは、「提示していただきました各御質問は学術的に複雑な内容を包含しており、学会の統一的見解としてお答えすることは困難であります」との連絡を得ました。
治験担当医のうち1名からは4つの理由を付して回答不可との通知をうけた他回答はありません。4つの理由は「アンケート結果の利用や公表のされ方に関して、何ら記載がないこと、アンケートに対する回答の選択肢の巾が狭く、一部が誘導的な回答形式であること、貴会議での検討結果に基づいた統計学的結果に関する質問については、私たちが回答できる根拠に乏しいこと、貴会議での推測に基づいての質問については、私たちが回答できる根拠に乏しいこと」でした。アンケートの方法については改善する一方、専門家の回答拒否の姿勢には問題を感じざるを得ません。
さらに、多くの妊婦に情報を提供すべく、妊産婦雑誌の編集部に対し、資料提供をしたうえで、取材や投稿の要望をしましたが、これも反応はありませんでした。
当会議はホームページにおいて情報提供を行うだけでなく、期間限定の掲示板を設定したりもしています。
11月5日に予定されているタイアップ総会でマイリスをテーマにした公開会議の開催を検討中です。
用語説明
マイリス…妊婦を対象に、子宮頚部(子宮からの出口)を軟化させ、分娩を促進するための薬。処方の必要のない妊婦にまで使用されていると思われ、安全性にも疑問がある。