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 既に本年6月発行のタイアップニュースでお伝えしたとおり、厚生省は、規制緩和の名の下に、新薬承認申請の際には、治験データを学会誌に公表するという要件を廃止し、「新医薬品承認審査概要(SBA)」という厚生省が作成する承認審査の概要をまとめたサマリー(要約)を公表することによって、これに代用する方針を示しました。
承認申請データの学会誌等へ公表は、医薬品の安全性の基本となる動物実験や臨床試験の質やデータの信憑性について外部の専門家や社会がチェックすることを可能にしてきたという機能があり、これを廃止することはそのチェックを困難にするもので、国民の健康の観点から問題が大きいと考えます。治験者は公共目的のために治験に参加しているにもかかわらず、それによる情報を製薬企業が完全に独占することにもなります。他方要約では、真に国民にとって必要な情報(危険性に関することなど)が公開される保証はありません。かかる対応は、情報公開の流れにも逆行するもので、極めて問題が大きいと考えるものです。薬害オンブズパースン会議では、飯塚さんを中心に班を結成し、直ちに取り組みを開始しています。

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