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抗うつ剤パキシル錠の妊婦への使用に関する当会議要望書に対する回答について

2010-04-09

 当会議は4月9日、グラクソ・スミスクライン社に対し、抗うつ剤パキシルの妊婦への使用に関する意見書を送付しました。これは、当会議が2009年10月21日付で、同社に送付した要望書に対する、同社の回答に対する反論の意見書です。

 抗うつ剤パキシル錠を妊娠初期に妊婦が服用した場合、胎児に先天異常を起こす危険性があります。また、妊娠20週以降にパキシルを含むSSRIを服用した場合、新生児薬物離脱症候群及び新生児遍延性肺高血圧症のリスクが増加するというデータがあります。患者が妊娠に気づいたときには、先天異常のリスクの高い妊娠初期を過ぎている可能性があり、パキシルには依存性があることを考慮すると、妊婦だけではなく、妊娠可能な患者に対するパキシルの使用を原則として禁止すること、やむを得ず使用する場合であっても、患者にリスクを十分説明し同意を得ることが必要です。
 そこで、当会議は、添付文書を改訂して「警告」欄以上の危険性を記載するとともに、患者がそのリスクを理解できるような患者向けの説明書の作成及び交付などを求めました。

 これに対し、グラクソ・スミスクラン社は回答書(2010年1月22日付)で、添付文書の改訂の必要性を認めていません。また、患者への説明文書の交付についても積極的な回答はありませんでした。

 本日送付した当会議の回答書では、グラクソ・スミスクライン社の回答の問題点を指摘しています。同社の回答からは、医療機関や患者に、速やかに情報の周知徹底をはかり、医薬品の安全性を確保しようという積極的姿勢を見出すことができなかったことは残念なことです。