活動状況

  1. ホーム
  2. 活動状況

抗うつ薬SSRIに関する要望書提出

2008-05-12

2008年5月12日付「抗うつ薬SSRIに関する要望書」を、厚生労働省、法務省、日本弁護士連合会へ提出しました。
 アステラス製薬株式会社、明治製菓株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社へは郵送での提出です。


要望の趣旨(厚労省、法務省、各企業)
1 実態把握のための調査実施
 抗うつ剤SSRIによる衝動性亢進(自殺・自傷行為・他害行為)と犯罪との関連および本剤による性機能障害(性欲減退、勃起不全、射精障害等)の実態把握のための調査を行うことを要望する。
2 添付文書の改訂
 抗うつ剤SSRIによる衝動性亢進および性機能障害について、医師(薬剤師)に対して充分な注意喚起を行うため、添付文書の改訂を要望する。


要望の趣旨(日弁連)
1 貴会会員への注意喚起
 抗うつ剤SSRIによる衝動性亢進(自殺・自傷行為・他害行為)が犯罪を誘発する危険性につき、貴会会員に注意喚起することを要望する。
2 実態把握のための調査(アンケートを含む)の実施
 抗うつ剤SSRIによる衝動性亢進(自殺・自傷行為・他害行為)と犯罪との関連性を明らかにするため、貴会会員に対し、刑事弁護における被疑者・被告人のSSRI服用の実態及びかかる場合の弁護活動の実態を把握するための調査(アンケートを含む)を実施することを要望する。

<要望書の訂正>
要望書4頁以下において紹介した全日空機ハイジャック事件についての記述で、「犯人はルボックス服用歴があり」、「弁護側は、『処方医により処方されたルボックスが…事件を引き起こした可能性』を主張し」としている部分について、ルボックス製造販売元のソルベイ株式会社及び明治製菓株式会社より、犯人が服用していたのはルボックスだけではない旨の指摘を受けました。
 たしかに、犯人が服用していたSSRIのうち、事件直近に服用していたのはルボックスですが、判決では、プロザック、パキシル、ルボックス(以上SSRI)、エフェクソール(SNRI)、ランドセン(抗てんかん剤)の5薬剤の服用の事実が認定され、これらの薬剤のいずれもが、「攻撃性や興奮状態等を出現させる副作用を伴う可能性を有するものであった」とされています。そこで、「犯人はルボックス服用歴があり」以下を次のとおり訂正します。
(訂正後)
 犯人はプロザック、パキシル、ルボックス(以上SSRI)、エフェクソール(SNRI)及びランドセン(抗てんかん剤)の服用歴があり、犯行当時は「躁うつ混合」状態にあったと精神鑑定書は指摘している。そして東京地裁判決は、これらの薬剤がいずれも「攻撃性や興奮状態等を出現させる副作用を伴う可能性を有するものであった」として、犯人は「抗うつ剤などの影響で躁うつ混合状態による心神耗弱状態にあった」と認定している。

関連資料・リンク等