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「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン」についての公開質問書提出

2005-08-09

2005年8月9日付で日本肺癌学会へ『「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン」についての公開質問書』を提出しました。


抗がん剤イレッサ(ゲフィチニブ)は、市販直後から多数の副作用死を発生させたにもかかわらず、日本ではその使用が継続されてきました。

イレッサは、保険薬価収載時にはすでに2つの臨床試験(INTACT-1および2)で既存の標準治療との併用における延命効果が認められないことが判明していました。さらに昨年12月には、世界28カ国で合計1692人を対象に行われた大規模比較臨床試験(ISEL)で、イレッサの単独使用での延命効果は認められなかったとする初回解析結果が発表されました。これを受けて、米国FDAは、「今回の結果を検討し、市場からイレッサを回収するか、他に妥当な規制措置を採るかを決定する予定である。」とする声明を発表した。EUでは、英国アストラゼネカ社が自ら承認申請を取り下げました。

 このような状況から、日本でもイレッサの承認の見直しや使用制限を求める声が高まり、厚生労働省は本年1月から3月にかけて「ゲフィチニブ検討会」を開催しました。その検討の過程で、厚生労働省から、日本肺癌学会に対し、2003年に作成された「実地医療でのゲフィチニブ使用に関するガイドライン」の改訂が依頼され、本年3月、「ゲフィチニブ使用に関するガイドライン」が作成されました。「ゲフィチニブ検討会」での検討の結果、「企業に対し、ゲフィチニブを使用するに当たって、本ガイドラインを参考とする旨を添付文書に記載することを指示すること」などを条件に、イレッサの使用継続が認められました。

現在米国ではイレッサの添付文書が改訂され、新規症例に対するイレッサの投与は原則として禁止し、投与は同剤により利益が得られている患者又は過去に利益が得られていた患者に限ることとされました。
 このように、現在では、米国でもEUでも、一般治療における新規症例に対するイレッサの投与はなされていないにもかかわらず、日本では、なおイレッサの使用が継続され、本ガイドラインは、日本でのイレッサの適正使用を確保するための手段として、きわめて重要な意味を持つものとなっています。
しかし、その内容及びガイドライン作成委員の選任等については、重大な疑問があります。
 当会議は今回、日本肺癌学会に対し9月末日を回答期限とし公開質問を行います。