FDA Statement on Iressa

イレッサに関するFDA声明                               2004/12/17

 FDAは本日、イレッサ(ゲフィチニブ)の市販後臨床試験において、肺癌患者の総生存率を改善しないという結果が示されたことに関し、以下の声明を発表した。

 FDAは昨日アストラゼネカ社より、他の治療に失敗した非小細胞肺癌患者において、イレッサ(ゲフィチニブ)投与群とプラセボ群とを比較した大規模臨床試験において、イレッサ投与群は生存率延長を示さなかったという結果の報告を受けた。

現在イレッサを服用している患者は可及的速やかに主治医と相談すべきである。患者は、治療法を変更するには、まず主治医と相談しなければならない。

代替治療法にはTaxotere (docetaxel) と Tarceva (erlotinib)がある。ともに、前治療後に進行した非小細胞肺癌患者において、生存期間延長を認めている。

FDAはイレッサを、2つ以上のコースの化学療法に失敗した非小細胞肺癌患者の治療用に、2003年5月2日迅速承認プログラム (accelerated approval (Subpart H) program)の下、承認した。FDA規定における迅速承認条項は、医薬品の承認を、代用エンドポイント−疾病の兆候や、検査結果など−での効果に基づいて行うものであるが、この代用エンドポイントは、臨床上のベネフィット(症状緩和や延命効果)を十分予測させるものである必要がある。イレッサは、その臨床試験において10%の患者に有意な腫瘍縮小効果を認め、このことから総生存期間を延長するであろうと考えられていた。

 

FDAは、迅速承認プログラムによる承認条件の一つとして、製造元が承認後に試験を実施し、期待される臨床上のベネフィットを実証することを求めている。2003年のイレッサ承認後、アストラゼネカ社は、プラセボに比較してイレッサに延命効果があるかどうかを判定するため、約1700人の患者を対象とした臨床試験を行った。本日発表されたその結果は、同剤が生存期間を延長しなかったことを示すものである。迅速承認制度のもとでは、市販後臨床試験において臨床上のベネフィットが証明されなかった場合、FDAにはその薬を市場から撤退させる権限がある。FDAは今回の結果を検討し、市場からイレッサを回収するか、他に妥当な規制措置を採るかを決定する予定である。

http://www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/new01145.html